学生時代、私は徒然なるままに生きていました。「徒然」には、“手持ち無沙汰、することがなく退屈である“という意味があります。
思い起こせば、中学生の頃から何かが足りないと感じながら生きてきたように思います。高校、大学受験もなんとなく受けて、その時々で自分の進路に格好のつく理由を探していました。
大学院生になっても根本は変わりませんでしたが、頭の隅では常に足りない何かを探していました。授業や研究で忙しく、知識だけはたまるものの、どこか退屈さを感じていたのです。
その状況を大きく変える体験ができたのは、そうした大学院での退屈な日々の中にありました。日本の古い町並に出会ったのです。大学では建築を学んでいましたが、建築単体を鑑賞することがあっても、町並を見ることはあまりありませんでした。都市問題を考えることはあっても、都市計画のような都市システムに重きをおいていました。
都市景観、町並を見たとき、私の中で今前勉強してきた知識が一気に繋がったのです。唐突に、町並の美しさが何によって形成されているのか解き明かしたいと感じました。私はこのとき、ようやく自分のやりたいことに気付けたのです。
そして同時にこうも思いました。やりたいことが見つからないというのは、ただその機会に恵まれていないだけなのではないか。
知識を活用するためには様々な人生経験を通して知識同士の関係付けが必要になります。立場が違えば同じ物でも見え方が違うのです。ひとつの事象をどのように考えるか、見るか。点と点をつないで線にするように、知識は共有してこそ智恵になるのです。
このホームページでは、建築にまつわるお話や、私がぶらりと訪れた場所の紹介をしていきます。しかし同時に、やりたいことの見つけるきっかけになる場にもなってほしいとも思っております。
「知識は共有してこそ智恵になる」
当ホームページではこれをキーワードに今後活動してまいります。
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